面白いデータがあります。
電話とテレビの普及率のグラフです。
先にテレビから

白黒普及率、カラー普及率はテレビの普及率のことです。
昭和32年に数%だったのが昭和42年には97%くらい
わずか10年でほぼ全ての世帯に行き渡ったことになります。10年で普及し終わったのですね。そしてその後は、白黒テレビはカラーテレビに代替されていきます。
この急速な普及は、テレビの価格と当時の国民所得を考えると凄いことですが、テレビとアンテナがあれば事足りるわけですね。他に余分なものは不要なのです。
それに対し、電話の普及にはいろいろ足かせがありました。
電話(住宅用)

1965年で10%未満、1978年でも70%ぐらいで、しかも1975年頃からやや頭打ちの傾向が見られます。
テレビに比べて電話の普及はスローでしたが、特に1960年代まではインフラ整備と並行しての電話設置でしたから、申し込んでから電話線がつながるまで、住宅用で3年、事業用で2年くらい待たされていました。そんな時代だったのですね。
その点テレビは電波が受信できれば映りますから、受信用ケーブルの引き込みなどは必要なかったのです。
それと電話を引くには加入権と債券の購入が必須で、金額もなかなかのものでした。通話料金も今より高かったのですね。
私が電話を引いたのは、結婚した1977年のことで
加入権が72,000円
債券が80,000円
合計152,000円
で当時の物価水準ではかなり高額でした。大卒の初任給が10万円にようやく届いたくらい。債券はわりと早くに売ってしまいました。
私の実家が電話を引いたのは1965年頃のことです。最初にやってきた電話機はダイヤル式ではなく、磁石式でした。ダイヤル式に変わったのは1970年前後だったと思います。当時私は学生でしたが、学生寮の前の広場に公衆電話が1台設置されました。
会社の独身寮にも公衆電話が置いてありました。置き場所が玄関先の受付カウンターだったので、寮監が目を光らしていて、長電話は気が引けたものです。